アマチュア無線家の皆様へ

てんこうの状況について(2019年5月17日)

昨日(5月16日),「てんこう」から送信されたCW信号(ビーコン信号)を確認できました.
おかげさまで,「てんこう」のCW信号送信は再開されました.

そのCW信号は弱弱しく,まだ完全ではありませんが,「てんこう」の内部温度は14℃であり正常な状態を維持しています.

当面はCW信号の受信に注力しますが,ミッション再開を目指していきます.

SatNOGS Networkの皆様をはじめ,ご支援くださったすべての方々に心からお礼を申し上げます.

ありがとうございました.

 

てんこうの状況について(2019年4月9日)

昨日(4月8日)のご報告の通り,「てんこう」のOBC(てんこうシステム制御ユニット)の不調により信号送信がストップしています.
しかし,様々な状況を総合的に判断し,「てんこう」は復旧すると考えられ,現在はそのための運用を続けています.

ところで,JAXAはジオスペース観測衛星「あらせ(ERG)」を運用し,電離圏と磁気圏の観測を続けています.
「あらせ」の遠地点高度は460㎞,遠地点高度は約32,110km,軌道傾斜角約31度であり,2018年12月から,「てんこう(高度約610㎞の太陽同期準回帰軌道周回)」はこの「あらせ」と連携して,ジオスペースの観測を続けています.現在までに興味深い幾つかのデータの取得に成功しています.
「てんこう」は以下の観測を続けており,具体的なデータについては,第32回宇宙技術および科学国際シンポジウム(#32ISTS,2019年6月15日~21日,福井市)の終了後に順次公開していきます.

(1) 荷電粒子観測
「てんこう」にはアメリカ合衆国とブルガリアによって開発された2つの荷電粒子観測装置が搭載されており,太陽および銀河由来の様々な荷電粒子を観測しています.

(2) 炭素繊維熱可塑樹脂複合材の宇宙空間劣化特性
炭素繊維強化熱可塑樹脂を宇宙空間に対して曝露させ,赤外線,紫外線,放射線,高真空,微小重力,大きな温度差などが複合する環境下における劣化特性(熱ひずみ特性)を観測しています.

(3) 地球低軌道環境の観測
上記2台の荷電粒子検出器に加え,磁力計,紫外線センサおよびラングミュアプローブなどを用いて地球低軌道環境の観測を実施しています.

(4) ウルトラキャパシタの宇宙環境耐性の確認
ウルトラキャパシタ(電気二重層コンデンサ)は蓄電量の大幅な向上が期待できる将来宇宙機用電源であり,「てんこう」はこのウルトラキャパシタの宇宙環境耐性評価を行っています.

(5) 先進熱制御装置の宇宙環境耐性の確認
「てんこう」にはオーストラリアによって開発された先進的な熱制御装置が搭載されており,実宇宙空間におけるこの装置の熱制御特性,宇宙空間耐性などのデータを取得しています.

 

てんこうの状況について(2019年4月8日)

アマチュア無線家各位

2018年10月29日の軌道投入以降,「てんこう」のBeacon信号および観測データを受信くださり誠にありがとうございます.
皆様のご協力に心から感謝申し上げます.

「てんこう」の近況についてご報告致します.

「てんこう」のBeacon信号および各種観測データについて,私たちは3月18日まで問題なく受信できていました.
3月18日23時12分から23時25分UTCに「てんこう」はギリシャ上空を通過しており,アマチュア無線家が「てんこう」のBeacon信号を受信しています.
この後の日本上空通過は3月19日の4時30分UTCであり,この約5時間,私たちを含めてどの基地局も「てんこう」のCW信号を受信していません.

ギリシャのアマチュア無線家が受信したBeacon信号をデコードした結果,「てんこう」全体の制御システムユニットOBCやバッテリーの温度,電圧と電流は正常値を維持していました.
したがって,「てんこう」のバスシステムは健全であったことが判ります.

3月19日の4時30分UTCの日本上空通過の際,「てんこう」に復旧コマンドを送信したところ,「てんこう」はそのコマンドを受信することに成功したことを確認できていますが,復旧には至っていません.

これらの状況および3月18日あたりの地球低軌道環境状況を踏まえて考えると,私たちは様々な可能性の中からOBCがSEL(シングルイベントラッチアップ)を起こしたものと判断いたしました.
このような状況にあった多くの衛星はその後復旧しており,私たちもてんこうは復旧するものと考えています.
「てんこう」復旧のための運用を続けてまいりますので,引き続きご支援をお願い申し上げます.

 

てんこうのダウンリンクデータフォーマットについて(2019年1月26日)

てんこうのダウンリンクデータフォーマットについてお知らせいたします。

この資料はCWおよびFMモードのためのダウンリンクデータフォーマットを記載しております。 詳細はハウスキーピングのフォーマットデータとミッションデータについてです。下記のリンクからダウンロードされてください。

Ten-Koh -Downlink data decode method

てんこうの定常運用に関して(2018年11月26日)

てんこうの定常運用についてお知らせいたします。

11月の初旬からてんこうの動作確認や地上局の体制を整えるために試験的な信号の送受信を行ってきましたが、アマチュア無線家の皆様のご協力のもと、お陰様でてんこうは現在順調に種々の観測システムが動作していることが確認できました。つきましては12月より、初期運用から定常運用に移行する予定でございます。定常運用は下記のFM受信予定表に沿って行います。皆様には初期運用に引き続き、定常運用でもFM受信のご協力をお願いいたします。

てんこうFM受信予定表

ダウンリンクで受信できた信号は tenkoh2017@gmail.comまでご一報お願いいたします。ご一報の際は

1.Call-Sign

2.氏名

3.パケットデータ等の受信したデータ

4.日付、受信時刻

5.地上局の所在地

をお願いいたします。

 

 

てんこうの初期運用に関して(2018年11月5日)

現在の運用状況についてお知らせします。

てんこうの打ち上げからの一定期間は初期運用として、てんこうの動作確認や地上局の体制を整えるために試験的な信号の送受信を行います。この初期運用は11月末まで行う予定で、その後定常運用を開始します。アマチュア無線家の皆様に関しては初期運用の間、もしそのパケット等を受信されましたら下記の連絡先までご連絡頂きますと幸いです。また、初期運用後の定常運用では、種々の観測ミッションに関する信号の送受信を開始いたします。こちらの観測データの受信も是非ご協力をお願いいたします。ダウンリンクで受信できた信号は tenkoh2017@gmail.comまでご一報お願いいたします。ご一報の際は

1.Call-Sign

2.氏名

3.パケットデータ等の受信したデータ

4.日付、受信時刻

5.地上局の所在地

をお願いいたします。

また、現在奥山研究室でベリカードを作成中です。信号を受信された方で当研究室のベリカードの送付をご希望の方は上記のメールアドレスまでお知らせください。

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